交通安全ラッピングタクシー

警視庁田無警察署長
警視 河本 滋様

 このラッピングタクシーのデザインは当署の池田巡査部長がデザインしたポスターが元になっています。それが大和交通保谷株式会社の岡田社長の目に留まりまして、交通安全の啓蒙に役立てたいとの思いでタクシー車両にラッピングさせていただく事になりました。

 都内の交通情勢は2023921日時点で88名、田無署管内でも残念ながら1名の方が亡くなっている現状です。交通事故はこれからだんだん増えてくる傾向にありますので、このラッピング車両が、交通事故が1件でも減る一助になればと思っております。

 今後とも交通安全に関して、皆様のご協力と安全運転の励行についてお願いしたいと思います。

~田無警察署 交通安全ラッピングタクシーの経緯~
大和交通保谷株式会社
伊東 充彦

612日(月)に田無警察署において北多摩東地区運行管理者部会総会がありました。その際、田無警察署からのお話で、警視庁管内の自転車事故防止の啓発ポスターとして、田無警察署交通課に勤務する、池田巡査部長が書かれた作品が採用されたとのお話とポスターのお披露目がありました。ポスターは2種類でいずれも「自転車も止まれ」という内容のものでした。

議事進行の後、交通安全に関するビデオ視聴と講話が塩田交通課長からありました中で5月に西東京市内で7歳の女の子が自転車で飛び出し、車にはねられ約11メートル飛ばされるという悲惨な事故があったそうです。私達、大和保谷のタクシーが頻繁に通っている交差点での事故でした。女の子は、自転車用ヘルメットを被っていたことにより頭蓋骨骨折はしたものの、奇跡的に一命はとりとめたそうです。

もし、その車が大和の車両だったら、私の仲間である乗務員さんが、その加害当事者になってしまったらと考えると「ぞっ!」としました。私達タクシーは、公共の道路をお借りして、仕事をさせて頂いています。もちろん細心の注意を払って運転していても事故は突然おきてしまいます。もしその事故で人の命が助かるか、助からないかとなった場合には、被害者だけでなく、加害者のその後の人生も大きく変わってしまいます。

タクシー事業者としてまずあるべき姿は「安全」です。

それであれば、この大和保谷の地元の田無警察署が自転車事故撲滅を目指すなら大和交通保谷には、お手伝い出来る事があるはずだと考えました。

 早速翌日、運行管理者部会の一連の報告を兼ね、上記の内容を当社社長の岡田に相談したところから本件の検討がスタートしました。大和自動車交通グループのリソースを考慮し、ポスターの絵柄のラッピングタクシーの走行が目標となりました。社内ではラッピングの準備を進める一方、田無警察署交通課長と協力して警視庁本署からの許可を取得し、無事にラッピングタクシーの実現にこぎつけました。それからは、田無警察署でも秋の交通安全運動期間のイベントとして、田無神社での安全祈願式、そこから田無駅前までのパレードが企画され、9/22(金)に実施する運びとなりました。田無でのイベントを始め、本ラッピングタクシーの取り組みを、社内外の多くの方に手を貸していただいて実現できたことに感謝します。

本取り組みを通じて、タクシー事業者としてまずあるべき姿の「安全」の考え方が、多くの人々に広がることを願っています。